あーてぃちょーくのおんせんブログ

映画『千と千尋』『ナウシカ』再上映感想|父の思い出を再訪

ジブリ映画が奇跡的に劇場で再公開している、というニュースを聞いたとき、「これは観に行くしかない」と思いました。

中でも、ジブリ映画の中で僕が大好きな『千と千尋の神隠し』が上映しているということで早速観に行きました。

千と千尋ポスター
良き。

ちなみに、コロナ感染防止のため席数を間引きしていたとはいえ、席はほぼ埋まっていました。おそるべしジブリ人気。週間ランキングも上位を占めており、映画館にとってもジブリ再上映は助かるラインナップではないでしょうか。

上映スケジュール
本当に2020年か?と思うラインナップ

まず、大スクリーンで『千と千尋』を見られるのがとても嬉しかったです。当時スクリーンで観たのが小学生の頃でしたから、正直あまり感動を覚えていないんですよね。改めてオープニングの車の中のシークエンスを見ると、色彩が淡く、かつ豊かに描かれていて、スクリーン映えするなあと思いました。

特に映画館で観て良かったなと思えたのが、音響ですね。音楽、そして効果音に包み込まれる感覚に鳥肌が立ちました。冒頭、千尋たちの車がトンネルの前で止まり、怖じ気づきながら千尋異世界に通ずるトンネルの中を覗く。そのときのトンネルを抜ける不気味な風の音、そして暗さは、館内の暗さと相まって千尋が感じる不安を我々にもまざまざと感じさせました。思わずゾクッとしました。

ストーリー自体はそれはもう10回、20回と観ているので新鮮さはないですが、画面が大きいことでこんなところにこんな字が、とか、電車で銭婆のもとに向かう際の駅にちらっと映る影の女の子とか、改めて気づくところが多かったですね。

全体的に色彩の良さ、音響の迫力を楽しめて、『ダークナイト』の再上映と同様、感動の再発見がありました。

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千と千尋』を観てから、思い出すことがありました。それは、『風の谷のナウシカ』に関する僕の父のエピソードです。

父は『ナウシカ』をそれこそ30年以上前の公開時に映画館で観て、衝撃を受けたそうです。あまりの衝撃に、当時の映画館は入れ替え制ではなかったですから、2回続けて鑑賞したと言うんですよね。

このエピソード、時代も感じるし、それほど『ナウシカ』という作品はすごかったということ、さらにその素晴らしさを感じ取った父の感性も垣間見れる気がして、とても好きな話なんですよね。

では僕も1984年当時の父よろしく(偶然にも同い年ですね)、映画館で『ナウシカ』を観てやろうと思いました。さすがに今は入れ替え制となっているので2回観る、ということはできないですが。

ナウシカポスター
良き良き。

ナウシカ』もスクリーンで観て、非常に良かったです。ほんとに30年以上も前の映画!?と思うほど、作り込みが素晴らしく、そりゃ当時にしてみれば衝撃だったろうと簡単に想像できました。

ナウシカの慈愛の心、改めてすごいなと思います。すべての人間、すべての生物に注ぐ無償の愛情。まるで全員が家族のように接するナウシカって本当に美しい完璧なヒロインだなと思いました。

終盤、王蟲の作り出した黄金色の草原の上を歩くナウシカの姿は、特にスクリーン映えしていました。稲穂のように綺麗な黄金色は本当にまばゆい輝きでした。

何より、36年の時をまたいで、父の『ナウシカ』鑑賞の後追いができたのが感慨深いです。こんなにも長い間愛されるジブリだからこそ、ですね。宮崎駿監督には感謝しかないです。

ジブリ作品の音の良さに気付いたり、細かい画面の演出に目が行ったり、美しい作画に嘆息をもらしたり、とにかく映画館で、スクリーンで、観て良かったです。幸せ〜。