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映画『ダークナイト』IMAX版感想|音響とヒース・レジャーに新たな感動

ダークナイトIMAX

中学生のときに劇場で観た『ダークナイト』に衝撃を受け、以降「好きな映画は?」と聞かれたら必ず本作を挙げるようにしています。洗練された映像、緊張感のある音楽、そして何と言ってもヒース・レジャー演じるジョーカーの狂気に度肝を抜かれたのをよく覚えています。

そんなお気に入りの『ダークナイト』ですが、当時はIMAXではなく普通のスクリーンで観たんですよね。といっても2008年当時、そもそもIMAXなんて聞いたことがなく、監督のクリストファー・ノーランが本作で初めて本格的に導入したことをきっかけにどんどん増えていった印象です。IMAXでまた観たいなと思ってきたのですが、時々行われるリバイバル上映の機会をさんざん逃してきました。

今回、大々的にIMAX版がリバイバル上映されるということで、嬉々として劇場に足を運びました。

バットマンフィギュア
飾られていました。かっけー。

感想。

感動しました。IMAXどうこうということではなくて、普通に映画館で大好きな映画を観れる、というのは幸せ以外の何物でもないですね。

もちろんIMAX版を初めて観た感慨もありました。T・ジョイ PRINCE 品川で観たのですが、ここのIMAXシアターはやっぱり良い。スクリーンとの距離が近く、迫力がすごいです。大事なIMAX作品はここで観るようにしています。品川IMAXで観たのは『2001年宇宙の旅』以来かな。

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冒頭の銀行襲撃のシークエンス、ラウ社長スカイフック、カーチェイス、病院爆破など、見応えのあるアクションシーンはすべてIMAXで撮影しているんですね。どのシーンも画面いっぱいに広がる迫力を堪能できましたし、とにかく没入感がすごいです。

あとスクリーン以外に良かったのが、音響。というかむしろこっちのほうが迫力あって驚いたかも。ズーンと腹に響くハンス・ジマーの音楽、バットモービルのエンジン音、飛び交う銃声、すべてクリアに聞こえ、かつ低音の強調がエグいほど良かったです。前に丸の内ピカデリーで「爆音映画祭(2017年)と題して様々な映画を爆音で上映するというイベントをやっていて、そのときの『ダークナイト』も観に行ったんですが、今回のIMAX版のほうが音の迫力がすごく感じました。あのときの爆音とは何だったのか。

そしてヒース・レジャーのジョーカーね。撮影直後に亡くなったこともあり、ほとんど伝説として語られるこの狂気じみた、否、狂気そのものの演技を巨大スクリーンでこれでもかと観られる幸せ。めちゃめちゃ良かったです。『ジョーカー』(2019)で演じたホアキン・フェニックスの悲哀に満ちたジョーカーも"あり"だったんですが、やっぱり僕にとってのジョーカーはヒース・レジャーかな。

取調室でバットマンと対峙し、滔々と自身の考えを伝えるジョーカー。「バットマンは殺さず、自分が楽しむ」。その狂った物言いは何かが降りてきているのでは?と思うほど神々しく、少しうるっときてしまいました。こんな感覚初めて。IMAXならではの没入感・説得力がありました。

作品自体の良さはもう語られ尽くされているので、とりあえず僕の好きなシーンをまとめておきます。

  • リースがバットマンの正体をネタにゆするも、フォックスに言いくるめられるシーン(可愛い)

  • 序盤でハービー検事とゴードン警部が対峙するとき、ゴードンの背景の本棚が整頓されている方と乱雑になっている方に分けられ、のちのトゥーフェイスを暗示しているシーン(計算高い

  • 死んだと思われたゴードンが家に帰るシーン(心温まる)

  • ルフレッド執事がレイチェルからの最後の手紙をブルースから隠すシーン(胸が痛い)

  • 病院爆破の際、爆発が途中で止まりジョーカーがスイッチをピコピコするシーン(良いアドリブ)

  • フェリー爆破のタイムリミットが迫る中、黒人の囚人がものすごい剣幕で起爆スイッチを外に捨てるシーン(カッコいい)

IMAX版、想像以上に良かったです。人生で『ダークナイト』はもう何十回も観てますし、ブルーレイも謎に2枚持っているのですが、それでも新たな発見がありましたし、感動しました。冒頭にはクリストファー・ノーラン監督の次回作『TENET』のオープニングIMAX映像も流れ、不可解な導入部分に先を早く観せてくれと思わされました。こちらもIMAXでまた観たいです。