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映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』感想|マーベルありがとう!泣き笑い感動の3時間

マジで今までマーベルありがとう!胸熱展開が最高。サーガの終わりとして素晴らしい映画でした。

エンドゲーム
©2019 MARVEL

衝撃的なラストの『インフィニティ・ウォー』からわずか1年。昨今のマーベル映画の多作ぶりには驚かされます。サノスという絶対的なヴィランが勝利し、世界中、いや宇宙中の人口が半分にされてしまった世界。絶望的な状況で残されたアベンジャーズ(初期メンが結構消えずに残った)がどう戦うのか、非常に楽しみにしていました。

楽しみであったのと同時に、これで一つのサーガが終わってしまうと考えると寂しさも拭えません。僕が初めてMCU作品に触れたのは『アイアンマン』を5年前の2014年に見た時のことです。当時は食わず嫌いで、テレビの煽り文句も"鉄男"みたいな感じで、あまり食指が動かなかったんですよね。しかし、いざ見てみると、予想をはるかに超える面白さ、キャラクターの魅力に心を動かされたことをよく覚えています。多くのMCUファンと同じように10年待った甲斐があった、とまではいきませんが、この5年間、充実したMCU作品群に触れてきました。

特に、この『エンドゲーム』の公開に合わせ、この2ヶ月間、見ていなかったMCU作品をすべて見ました(全部見といて良かった)。これまでのを全て合わせるとその数なんと21作品。ずいぶん多いと思います。しかし、一旦これら輝かしい作品群の暖簾を下ろす時が来てしまいました。

さてさて『エンドゲーム』ですが、楽しみにして見に来たファンを楽しませようとするファンサービスが随所に仕掛けられており、ずっとハラハラしたり笑ったり泣いたり、感情を動かされっぱなしの3時間でした。最初の『アイアンマン』や『アベンジャーズ』を見たときと同じように、心を掴み、動かすという意味での「感動」を与えてくれたと思います。

昨年亡くなったスタン・リーには本当に感謝したい。最後となる本作でもカメオ出演をしています。撮影も無事間に合ったんですね。彼が出てくるとなんとなくシーンが和むというか。キャラの創出者としてだけでなく、映画を見る楽しみとしても重要な貢献をしてくれたと思います。

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ストーリーとしてはサノスが開始早々に死にます。え、いいの!?という展開。自分の大義を果たしたサノスは農園でゆっくり暮らしていたところをアベンジャーズに襲撃され、「I am inevitable. (私は絶対だ)」というセリフとともに殺されます。まあその後も普通に出てくるんですけど、サノスというヴィランは僕としてはとても魅力的でして、すごく頭も良くて、彼の大義も一応は筋が通っています。半分を消すことで、半分を助ける。自己を確立していて、魅力的なんですよね。サーガの終わりのヴィランとしては、まさにうってつけ。

そして5年後に話は飛びます。おのおのの暮らしをしているアベンジャーズ面々。キャップもかつてのサムと同じように、つらい体験を乗り越える会のカウンセラーとして働いている姿に成長を感じました。そして鍵となるアントマン。5年間量子の世界を漂い続け、ひょんなことから舞い戻ります(あのネコはグース?)。アントマンからすれば5時間くらいの感覚だったということで、時間旅行ができるのではないかとひらめきます。仲間を集め、時間旅行をすれば、サノスがストーンを集めることもできなくなるだろう、と。

そして仲間集めに。一番笑ったのはソーです。北欧で新アスガルド王国を気づいた彼。しかし『バトルロイヤル』の仲間とともに家でビールとゲーム三昧。髪が長く元に戻ったのはビジュアル的に良いんですが、腹がめちゃめちゃ出ていてウケました。他には家族を消されヤケになって暴れてたホークアイも、思いを寄せるスカヨハに秒で説得されついていきます

ここからのタイムトラベルは実に胸熱でした。ストーリーにタイムトラベルを組み込むことで、過去作や死んでしまったキャラクターを出せる!なんと上手い脚本でしょう。ファンサービスを感じます。過去にタイムトラベルを描いた作品は数多あり、傑作も見てきましたが、『アベンジャーズ』シリーズでそれをやるとは。かないっこないです。ロキもいる。ソーママもいる。キャップの恋人もいる。見ていて実に楽しいし、ワクワクが止まらねえぜという感じでした。

中でもキャップがヒドラ党員とエレベーターに乗るシーンは秀逸でしたね。『ウィンター・ソルジャー』のオマージュであります。ここでも戦闘来るか!?と思いましたがそこは賢くなったキャップ。自分もヒドラ党員であると偽りキューブを奪います。分かる人には分かるという粋なギャグでした。

トニー・スタークが若き日の父親と相まみえるというシーンも良かった〜!科学者として、男として、そして父親としてトニーは父親を尊敬しているんですよね。父に教わった「時間でお金は買えない」という名言を父に教えるという構図も時間旅行ならでは。そしていかに父親がトニーのことを愛していたかも伝わって来て、すでに泣きそうになりました。

まさかのスカヨハの死という代償を払いながらも、全てのストーンを手に入れ、「人口半分消失」をキャンセルした面々。しかしさすがのサノスもネビュラを通して情報を仕入れていました。まさに総攻撃。甦ったアベンジャーズも結集(アベンジャーズ アセンブル!)し、戦争のような画面。ここの画面は情報量は多すぎて全部を捉えられなかったように思います。ていうかやっぱヴァルキリーめっちゃカッコいいヒロインだなというのはよく覚えていますが。

キャプテン・マーベルというチートも炸裂し、サノスとの対決にフォーカス。キャプテン・マーベルもサノスの前では劣勢で、パワーストーンを使われ弾き出される。しかし、最後はやっぱりアイアンマン。ストーンを奪い、必死の指パッチンで勝利します。最期のサノスには哀愁さえ感じました。

しかしながら、指パッチンの代償は大きい。アイアンマンは腕を侵蝕され死んでいきます。支えてきたポッツの優しい目線。叔父さん代わりに慕ってきたピーター・パーカーの悲しそうな目線。実に無念でした。(というかサノスとハルクは指パッチン大丈夫だったから、あいつらはやっぱり超人なんだな、と。)

娘に3000回愛してる、と言うビデオメッセージを残していたのは本当に涙なしでは見られませんでした。あの、家族での美しいシーンは伏線で、フラグだったんだと思わされました。MCUがアイアンマンから始まったから、アイアンマンが死ぬことでこのサーガが終わる、ということなんでしょうね。制作陣からしたらかなり苦渋の、そしてチャレンジングな決断だったのではと思います。『インフィニティ・ウォー』と同じように、「全てが読めてしまう」という結末ではなく、衝撃を残すことで心に訴えかける映画になったと思います(ここらへんはパンフレットのプロデューサーインタビューに書いてある)。

喪に服すアベンジャーズ面々。平和が訪れたあとのアベンジャーズが揃った顔を見られるというのも、構成的に良かったと思います。落ち着いた気持ちで皆を見ることができました(もちろん悲しみに溢れていますが)。そして全体を見渡すのはニック・フーリーという構成。

最後はキャプテン・アメリカの幸せな人生を映して終わります。愛する人と結ばれたところでエンド、というのはなんて古典的なハリウッド映画でしょう。むしろ最近は珍しいからそれでいい。もうMCUに参加することはないキャップの終わりも、ちゃんと描いてあげていて良かったと思います。

泣き笑い感動が凝縮された3時間でした。今までMCU作品見てきて良かったと思わされました。さっそく夏には次のサーガの開始となる『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』が公開されます。トニー・スタークの死で病んでないか気になりますが、彼の活躍と今後のMCU作品に期待します。間違いなく今年のトップ映画です。