バケモノの子 8点/10点

細田守監督の親子にも近い師弟の関係を描いた作品。王道的ストーリーを踏みつつも爽やかにまとまっていた。渋谷・渋天街(じゅうてんがい)の描写、特に人物の作画が素晴らしく、作品に奥行きをもたせる。青年の悩みに解決を見いだせるので"子育て"という意味でも成功しているように思われる。ここが前作『おおかみこどもの雨と雪』との違いである。作中に登場するマスコットのようなキャラクター、チコは個人的には母親の生まれ変わり、あるいは母親が乗り移ったものだと思っている(少なくともメタファー)。九太が岐路に立たされたとき癒やし慰めるのはいつもチコであるし、母の移った写真立てとチコが映るシーンは暗示に他ならないだろうからである。