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ミッション:インポッシブル/フォールアウト 感想レビュー 『トイレの格闘シーンは名シーン』8点/10点

あらすじ

トム・クルーズ主演の人気スパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズ第6作。盗まれた3つのプルトニウムを回収するミッションについていたイーサン・ハントと仲間たちだったが、回収目前で何者かによりプルトニウムを奪われてしまう。事件の裏には、秘密組織「シンジケート」の残党が結成した「アポストル」が関与しており、手がかりはジョン・ラークという名の男だった。ラークが接触するという謎めいた女、ホワイト・ウィドウに近づく作戦を立てるイーサンとIMFだったが、イーサンの動きに不信感を抱くCIAが、監視役として敏腕エージェントのウォーカーを送り込んでくる。イーサンは疑惑の目を向けるウォーカーを同行しながら、ミッションを遂行するのだが……。シリーズを通してさまざまなスタントに挑んできたクルーズが、今作でも、ヘリコプターを自ら操縦してアクロバット飛行にも挑戦するなど、数々の危険なスタントをこなした。前作に続いてクリストファー・マッカリーがメガホンをとり、シリーズで初めて2作連続の監督を務めた。共演はシリーズおなじみのサイモン・ペッグ、ビング・レイムス、前作から続けて登場するレベッカ・ファーガソンのほか、ウォーカー役で「マン・オブ・スティール」のヘンリー・カビルが初参戦した。(映画.com)

感想

なんだこのトム・クルーズ兄貴は。スタントほとんど全部のシーンでやっとるやんけ。

TOHOシネマズ日比谷のIMAXで見たのですが、もう映像と音の迫力も素晴らしかったです。

アクション

手に汗握るアクションの数々をトム・クルーズがこなしているだけで、もう興奮しないわけがないでしょう。ちょっとこれ凄すぎたんで、一つ一つ見ていきます。

トイレでの格闘シーン

まず、トイレでの格闘シーン。もうこの素手・拳と拳のぶつけ合いを見ただけで映画を見た元は取れますね。「全部顔出し(スタントなし)でやってるじゃん…」心の中で嘆息混じりに感嘆していました。

ヘイロージャンプ

そして飛行機からのダイブ。「なんだこのカッコいい装備スーツは…」このジャンプ、ただのスカイダイビングではないです。「ヘイロージャンプ」といって上空7620mという途方もないところからジャンプし、地上近くでパラシュートを開いて敵地に潜入するという軍隊がやるようなジャンプ。それをトムが自ら実際に遥か上空を飛ぶ飛行機からダイブしてやってのけています。

バイクチェイス

次にパリでのバイクチェイス。普通ならこんなスピードでの撮影、俳優の顔の寄りだけ撮影してあとはスタントで撮影・編集してうまく繋ぐところですが…。「やべえこれ全部トムが運転してるじゃん…」ヘルメットなしでの運転。凱旋門周りを逆走しています。そりゃリアリティ出ますよね。

このくだり、最後は水路に落ちて仲間のボートに乗り込むんですが…。その直前にトムが握るナイフを映しておくことで、切られたネットが映った瞬間に「これが行き当たりばったりの行動ではないんだぞ」ということが分かる秀逸な場面カットになっていました。こういう細かい演出が好きなんですよね。

ビルジャンプ

全速力で走るトム・クルーズ。それだけでカッコいいのに、ビルとビルの間を飛びます。このジャンプで着地のときにトムは足を骨折したそうなんですが、その痛みに耐えながら立ち上がって画面外に歩いていくんですよね。「脚折れたからこの1回の撮影にかけるしかない!」その執念たるや、もう常人ではないです。

ヘリアクション

最後は極めつけのヘリアクション。これはさすがに合成か?とか思っててごめんなさい。メイキングを見るとトムが実際にヘリ操縦の訓練を受け、運転をこなす様を実際に撮影してます。「そこまでリアルにこだわるのか…」僕は感服いたしました。

ストーリー

ストーリーのほうも結構シリアスで込み入っていて、単なるアクション映画ではないことがビシバシ伝わってきました。2転3転するストーリーは、『ユージュアル・サスペクツ』の監督でもあるクリストファー・マッカリーお得意のものといった感じ。見ていて楽しいし、上手いなあと思いました。

キャラクター

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ルーサー役のヴィング・レイムスベンジー役のサイモン・ペッグは続投していて非常に嬉しいです。ルーサーの存在感や安定感は作品に深みを与えますし、サイモン・ペッグのおちゃめな可愛さは重くなりがちなストーリーを時にコミカルにします。サイモン・ペッグをMIシリーズに加えたのは大正解ですね。

それからチームに加わって怪しい動きをするCIAのウォーカー役にスーパーマン役で有名なヘンリー・カヴィルIMFはこのヘンリーといい、ジェレミー・レナーといい、チームの中に裏切りそうな輩がよく入りますね(笑)

まとめ

やはりミッションインポッシブルシリーズはリアリティーが全然違う!CGを極力排除し、パリだったらパリ、山奥だったら山奥の現地で、スタントなしの体当たりで行なう撮影だからこそ、物語に現実感が生まれ、僕たち鑑賞者の緊張感を否が応でも煽ってきます

最後に、トイレでの格闘シーンについてなるほどと思った文章を引用して終わります。いやホントこの死闘シーンは名シーンですね。

個人的には序盤に用意されたトイレ室での死闘バトルを、映画史に残る名シーンとして激賞したい。終始イテテ感がつきまとうこの描写は、かつて同じトイレでの格闘を描いた「ターミネーター3」(03)のジョナサン・モストウ監督の言葉を切に思い出させる。

「トイレは驚異的な破壊力や殺傷能力を実感させるときに有効な場所だ。便器や仕切りの材質とか空間の距離感を誰もが共有しているからね。だってトイレを使わない人間はいないだろ?」(YAHOO!映画