あーてぃちょーくのおんせんブログ

映画『ダイ・ハード』感想|シリーズ1作目が愛される理由

3度目くらいの鑑賞。ツイてない男、ジョン・マクレーンがマジで最高のシリーズ第1作。

ダイ・ハード
© 1990-2019 IMDb.com, Inc.

あらすじ

テロリストによって日本商社の高層ビルが乗っ取られるという事件に、偶然巻き込まれた1人の刑事の活躍と戦いを描くスペクタクル映画。エグゼクティヴ・プロデューサーはチャールズ・ゴードン。製作はローレンス・ゴードンジョエル・シルヴァー。監督は「シュワルツェネッガー プレデター」のジョン・マクティアナン、ロデリック・ソープの原作を基に、ジェブ・スチュアートとスティーヴン・E・デ・スーザが脚色、撮影はヤン・デ・ボン、音楽はマイケル・ケイメン、特殊視覚効果はリチャード・エドランドが担当。出演は「ブラインド・デート」のブルース・ウィリスボニー・ベデリアほか。(映画.com)

感想

ダイ・ハード』シリーズはシリーズ5作品全て見ていますが、ハラハラ感第1位は間違いなくこの1作目でしょう。

ブルース・ウィリスはこの作品から一躍ハリウッドスターに踊り出たんですね。それほど素晴らしい作品であり、ヒットした作品であるということです。

本作品を魅力的にしているもう一つの大きな要素は、テロリストのボスとしてアラン・リックマンが出演していることです。『ハリー・ポッター』シリーズのスネイプ先生役で広く知られていると思いますが、他にも『ラブ・アクチュアリー』などへの出演が思い当たります。本作の悪役の演技も鬼気迫るものがあり、物語に重厚感を与えています。

シリーズ史上最高と言われる理由

これまで5作作られてきた『ダイ・ハード』シリーズですが、今でも最もファンの呼び声が高いのは、この1作目です。

なぜなのでしょうか。

それはおそらく、「密室劇で緊張感がずっと持続している」「伏線回収が見事」という2つの理由からでしょう。

1つ目の理由、「密室劇で緊張感がずっと持続している」ですが、ダイ・ハードで厳密な意味で密室なのはこの1作目だけなんですよね。2作目以降では主人公が外に出られるのに対して、1作目は完全にビルの中に閉じ込められ、文字通りの密室劇となっています。

密室なことによって、シチュエーションが非常にシンプルとなり、わかりやすい分、追い詰められたときの緊張感がより煽られるんですよね。観ていてハラハラするシーンが多いのが特徴。屋上で敵に追いかけられたり、ダクトを使って逃げたり、隠れて敵を待ち伏せして奇襲を仕掛けたり、、。

こういうことができるのは、閉じ込められて人質を救出しなけれいけない刑事と、ビル内に厄介者を抱え込んでしまったテロリスト集団という、2者対立の構図があるからこそです。この関係性によって、「相手に見つかったら終了」というスリルが生まれ、キャラクターの緊張感が否が応でも観客の緊張感と呼応するのです。

2作目以降は空港だったり、高速道路だったり、と舞台が密室ではなく、追跡劇という形で緊張感を作っていますが、やはり1作目に勝るスリルは無いと言っていいでしょう。

2つ目の理由、「伏線回収が見事」についてです。本作では物語の序盤から結構伏線が張られており、それらがラストにかけて上手に回収されていくプロットとなっており、ストーリーとして観ても気持ちがいいものとなっています。

例えば冒頭から飛行機のシーンでジョン・マクレーンは高所恐怖症であることが明示され、のちにビルの屋上からダイブするシーンでも非常な怖がりようを見せています。また、高所恐怖を直すには「裸足で足を丸めて歩け」というおまじないを信じてやってみたはいいものの、これが後で仇となりガラスの上を裸足で歩かされることになります。さらに、ビルの外からジョンの手助けをすることになる警官・パウエルは銃によるトラブルで長らく引き金を引いたことは無かったのに、最後ではいきなり蘇生した敵をカッコよく射殺します。

個人的にはグラサンかけたお調子者のリムジン運転手・アーガイルがずっと駐車場に待機していて、最後になって敵の脱出用の救急車に追突するシーンなんかも最高ですね(伏線ではないか)。

運転手アーガイル
© 1990-2019 IMDb.com, Inc.

このように、多くの伏線を回収していく手腕はさすがの一言であり、この脚本もまた本作が魅力的である所以かなと思います。特にパウエルとのやりとりはアツいものがあり、無線ごしではあるんですが、2人が信頼関係を構築していった末に、ジョンがパウエルと会い、パウエルが自身で敵を撃ち抜くことでトラウマを克服するというストーリーも素晴らしいです。

アクション濃いめの頭脳戦

冒頭でも述べたように、アラン・リックマン(役名ハンス)の出演によって、いかにもただのアクション映画になりそうなところを、頭脳明晰で聡明なキャラクターが構築されており、観て面白いのは力の強さ(拳の強さ)だけじゃないんだ、と分かります。

ジョン・マクレーンも警察をいかに呼ぶかというところに創意工夫が観られますし、最後のハンスとの対峙のときにも頭脳プレイでハンスを撃ち抜きました。

頭脳戦みたいなものって結構観てて楽しいじゃないですか。いかに賢い方法を見せるか。作戦の裏をかくのとか、かなり興奮します。頭脳プレイ濃いめのアクションなら『ミッション:インポッシブル』シリーズとか。頭脳プレイの極限は『デスノート』とかになるんですかね。こういう作品たちは僕の好物です。

アラン・リックマン演じるハンス
© 1990-2019 IMDb.com, Inc.

本作はアクション濃いめの頭脳プレイですが、やっぱり楽しい。意外と(?)頭を働かせるジョン・マクレーンとクールなハンスの裏のかきあいが非常にハラハラするし面白い。一番のシーンは2人がばったり会ってしまったあと、ハンスが機転を利かせて人質のフリをし、騙されたジョンが拳銃を渡すも、中の銃弾は抜いてあった、というところ。緊張感も相まって、素晴らしいシーンですね。

まとめ

ダイ・ハード』ファンに最も愛されるシリーズ第1作目は、伏線を多用した脚本と緊張感を煽る演出、頭脳戦を楽しめるアクションと、観客が盛り上がる仕掛けが随所に仕掛けられていました。クリスマスが舞台の映画なので、クリスマス映画としても最高の1本です。これからの人生でも事あるごとに観たい。

というか最新作シリーズ6作目の製作も決定しているようですね。シリーズ全部観ている自分としては、また楽しみにしたいと思います。