映画『怪盗グルーのミニオン大脱走』感想・邦題は変えたほうがいい

イルミネーションスタジオのCG技術の高まりはすごい。一方、ストーリーはというと1作目のほうが良かったかな。

怪盗グルーのミニオン大脱走

あらすじ

ユニバーサル・スタジオとイルミネーション・スタジオによる人気アニメーション「怪盗グル―」シリーズの第3弾。晴れて結婚したグルーとルーシーの前に、新たな敵バルタザール・ブラットが現れる。1980年代に子役として人気を博した過去の栄光にすがり、80年代ファッションに身を包んだバルタザールは、様々なガジェットを駆使して犯罪を繰り返し、グルーを反悪党同盟から追い出してしまう。そんな時、グルーにドルーという生き別れになっていた双子の兄弟がいることが判明。父親から莫大な遺産を相続しているドルーは、父の志を受け継ぎ天下の大悪党になることを夢見ていた。一方、グルーの相棒ミニオンたちは、グルーが反悪党同盟をクビになったことで再び悪の道に戻ってくることを期待していたが、グルーにその気がないことを知り、新たなボスを求めて旅に出るのだが……。日本語吹き替え版は、シリーズおなじみの笑福亭鶴瓶芦田愛菜中島美嘉らが続投し、バルタザール役を松山ケンイチが務める。(映画.com)

感想

最近、数多くのヒット作を出している、イルミネーションスタジオ。CG技術の腕は確かなものになってきました。キラキラとした海の水面(みなも)や、緑豊かな森の美しさには目を見張りました。キャラクターたちのコミカルな動きも楽しかったです。

一方で、映画「シング」で見せたようなストーリーの巧みさは本作では影を潜めてしまいました。これなら、主人公グルーと子どもたちとの交流を丁寧に描いた1作目『怪盗グルーの月泥棒』のほうが良かった気がします。

まとまらなかったストーリー展開

本作のストーリー的特徴として、いくつかのサブストーリーを並行して描きつつ、最後に合流させる、というものがあります。

もし、それぞれのサブストーリーが面白く、かつ綺麗にまとまるのであれば、最高に良いストーリーなのですが、これはかなりの至難の業であり、こなれた脚本家でないと失敗に終わってしまいます。

本作もあまり成功とは言えません。主人公グルーとその双子の兄弟ドルーとの泥棒劇、子供たちのユニコーン探し、悪党ブラットの悪だくみ、邦題にもなっているミニオンの脱走劇(後述しますがホントに一部)。そのどれもが魅力に欠け、うまく融合しないまま、映画が終わってしまいました。尺の長さ的にそれぞれを掘り下げて描こうとするとどれも足りず、という感じでしょうか。

それぞれの単独行動が多かったのが良くないですね。特に、観客はグルーとミニオンとの協力プレイを楽しみにしているため、ミニオンが別行動になってしまったことが惜しいと思いました。

一番笑ったミニオンのオーディションシーン

そんななかで、一番笑ったシーンは、ミニオンのオーディションシーンです。

ひょんなことから、ミニオンが『America's Got Talent』(アメリカのオーディション番組)のようなステージの上に迷い込みます。そこからのミニオンたちの即興の歌のパフォーマンス。

馬鹿らしさと可愛らしさが相まって、絶妙な笑いを生み出しています。もっと長く見たいと思わせる、最高のギャグシーンでした。

邦題はこれでいいのか?問題

洋画ファンの間では、邦題が原題から変わりすぎて良くないといった意見をよく目にします。僕は、そこまで原題にこだわる必要もないのかなと思っています。日本人にとってわかりやすいタイトルのほうが良いですし。

しかし、本作については邦題詐欺も良いところです。「ミニオン大脱走」のシーンなんて物語のたった一部分に過ぎません。これなら双子のドルーについて入れたほうが良かったと思います。日本でミニオン人気がスゴイのは分かりますが、ミニオン目当てで映画館に足を運んだ観客や子供たちは肩透かしを食らったでしょう。

原題、『Despicable Me』とはシリーズに一貫して付けられているタイトルです。直訳では『卑劣な自分』ということですが、グルーのことを考えて訳すなら『悪いオレ様』といったところでしょうか。まあさすがにコレを邦題には付けないでしょうから、変えるのは納得なのですが、副題がよくないです。

まとめ

いろいろ文句をつけてしまいましたが、普通に楽しむぶんにはいい映画です。映像がとにかく綺麗。これを見始めて、そういえばまだ2作目を見てないことを思い出したので見なければ、、。今冬公開のイルミネーション映画『グリンチ』もどんな映画か、楽しみです。