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映画『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』感想レビュー/タイムリープものだけど… 7点/10点

あらすじ

ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティス監督が、タイムトラベルを繰り返す青年が本当の愛や幸せとは何かに気づく姿を描いたロマンティックコメディ。イギリス南西部に住む青年ティムは自分に自信がなく、ずっと恋人ができずにいた。21歳の誕生日に、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父親から知らされたティムは、恋人を得るためタイムトラベルを繰り返すようになり、やがて魅力的な女性メアリーと出会う。しかし、タイムトラベルが引き起こした不運によって、その出会いがなかったことになってしまい、再び時間をやり直したティムはなんとか彼女の愛を勝ち取るが……。主人公ティム役は「ハリー・ポッターと死の秘宝」「アンナ・カレーニナ」のドーナル・グリーソン、ヒロインのメアリー役にレイチェル・マクアダムス、ティムの父親役にビル・ナイ。(映画.com)

感想

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タイムリープものだが…

過去の自分に戻れる、というのは日本ではタイムトラベルではなく、タイムリープと呼ぶのが一般的なところです。それはやはり『時をかける少女』の影響が大きいです。タイムリープを扱った作品として、他には名作『バタフライエフェクト』、トムクルーズ主演で実写化もされた『オールユーニードイズキル』、傑作アニメ『シュタインズゲート』、漫画・アニメが名作の『僕だけがいない街』あたりが有名ですかね。

さて、僕はそういうタイムリープものが大好物です。なぜなら、概してタイムリープものの作品では主人公が大切な人を守ろうと、時間を遡り、孤軍奮闘して何とか現状を打破しようと試行錯誤するのです。そういうひたむきさや、実直さにシビれ、憧れ、感動するわけです。さらにはそういう伏線になっていたんだ、とストーリーに感心することもあります。

前置きが長くなりましたが、そんな嗜好を持つ僕がこの『アバウトタイム』を見てどう思ったか。それは、「ちょっとぬるい」です。そもそも主人公ティムは、自分のためにタイムリープ能力を使いますよね。まあ、脚本家の劇を成功に導いたり、妹の生活を改善しようとはしますから、完全に自分のためとは言いません。しかし、ほとんどが毎日の楽しみをより増幅させるためタイムリープを繰り返すのです。

個人的に一番どうかな?と思ったのは、大切な人と出会っているにも関わらず、脚本家のためにその出会いを無かったことにした場面。うーん、僕は大切な人との出会いは一回きりで良いのでは?自分はさまざまな出会いかたを覚えていても、向こうは覚えていないってなんだか切ないというか、、。

『アバウト・タイム』のメッセージ

逆に、この映画の良いところは「日々の日常や家族は、当たり前のようだけどかけがえがないほど素晴らしく、大切なもので満ち満ちているんだ」という、全体を通したメッセージです。

監督のリチャード・カーティスは、『ラブ・アクチュアリー』でも扱っていたように、人と人との出会いの素晴らしさを映画のテーマにしようとしています。今作でも、例えばティムが何気ない1日をやり直すことによって、気づけなかった些細な喜びや人との出会いの大切さを描き出すことに成功しています。

キャスト陣の良さ

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もう一つ良いところは、やはりキャストたちの人選でしょうか。ティムのお父さん(ビル・ナイ)は間違いなく家族を大切にするお父さんを演じ切っており、あの父子の関係は羨ましいと思いました。ティムの母親のリンゼイ・ダンカンは温かい眼差しのお母さんという感じで、嫁姑の関係も、非常にフレンドリーで良好なところが良かったです。

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そしてヒロインのレイチェル・マクアダムスの可愛さでしょうね。彼女、どこかで見たことあるなーと思って見ていましたが、僕が見てきた映画にいろいろと出ていました。『シャーロック・ホームズ』シリーズ、『ミッドナイト・イン・パリ』、『スポットライト 世紀のスクープ』、最近ではMCU作品『ドクター・ストレンジ』のヒロインも演じていましたね。これで完全に覚えました。カーティス監督が言うように、「彼女はどの作品でも素晴らしい演技を見せてくれるし、癒しの力を持ってい」ますよね。素晴らしい女優さんだと思います。

まとめ

さて、いろいろと言ってきましたが、やはり僕は好きになりきれない作品ですね。キャラクターたちは非常に魅力的で素晴らしいんですが、主人公のモチベーションに共感があまり出来ませんでした。リチャード・カーティス監督は脚本家でもあるようで、まだ見ていないノッティングヒルの恋人を見てみたくなりました!