あーてぃちょーくのおんせんブログ

8点

映画『パラサイト 半地下の家族』感想|匂いの演出、親北ギャグ、トイレの蓋

遅ればせながらですが。カンヌとアカデミー賞のダブル受賞を果たした、ポン・ジュノ監督の意欲作。 ブラックユーモア溢れる風刺の効いた映画で、所々笑えました。一方で、後半からは展開が二転三転する緊張の連続。 貧富の格差を、住む場所の高低(丘の上の…

映画『劇場版SHIROBAKO』感想|夢の途上にいる若者へのメッセージ

面白かったし、最後は少し泣けた。 あれから4年。アニメ制作会社「武蔵野アニメーション」は下火となっていたが、新たに劇場アニメを作ることで制作プロデューサーを務める主人公・宮森(みゃーもり)たちが再び夢を追いかけようとする。 『SHIROBAKO』のア…

映画『劇場版メイドインアビス深き魂の黎明』感想|完成度高いけどナナチだけが癒し

見に行くと精神をすり減らされる映画。ナナチがいなかったら最後まで耐えられなかったかもしれない…。絵柄は可愛いのに、ストーリーは地獄というギャップの衝撃はアニメシリーズで既に味わったが、今作も負けず劣らずのグロさ。痛みが伝わってくるような演出…

映画『ラストレター』感想|現代における手紙への憧憬

岩井俊二監督作品を初めて鑑賞した。彼の故郷である仙台市を舞台に、過去と現代を行き来しながら、亡くなった未咲と鏡史郎の物語が展開される。 ©2020「ラストレター」製作委員会 福山雅治の抑制された演技、神木隆之介のまだ学生でも行ける若々しさ、森七菜…

映画『ブラック・クランズマン』感想|ユーモア溢れる黒人差別反対映画

黒人差別をユーモアと皮肉によって娯楽作へとまとめ上げた、実話に基づく映画。緊張と緩和、シリアスとユーモアに彩られた本作は、あっと驚くラストのシーケンス映像まで、大胆にも現実を皮肉った良作となっていました。 (C)2018 FOCUS FEATURES LLC, ALL …

映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』感想|キャラクターの内面に踏み込んだ正統続編

ベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンという強面の2人が主役を張る、シリーズ2作目。前作『ボーダーライン』を成功に導いた監督やスタッフはほとんど降板となっていますが、脚本のテイラー・シェリダンは続投しており、前作のもつ重々しい空気を色…

映画『ダイ・ハード』感想|シリーズ1作目が愛される理由

3度目くらいの鑑賞。ツイてない男、ジョン・マクレーンがマジで最高のシリーズ第1作。 © 1990-2019 IMDb.com, Inc. あらすじ 感想 シリーズ史上最高と言われる理由 アクション濃いめの頭脳戦 まとめ あらすじ テロリストによって日本商社の高層ビルが乗っ…

映画『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』感想|外の世界の解釈とワニの名

アニメ版とは異なる完全新作ストーリー。映像美がすごいです。考察もしたいと思います。 あらすじ 感想 完全新作ストーリー(以下、ネタバレあり) ウテナとアンシーの描写 ウテナとアンシーの関係性 「外の世界」とは ワニの名は。 気になった小ネタたち ま…

映画『ヴェノム』感想・レビュー 日本人気なバディムービーを考察 8点/10点

公開前から日本の映画ファンの中で盛り上がっていた、『ヴェノム』を早速見てきました! あらすじ 感想(ネタバレ多) 怖い?怖くない? バディモノって日本人気? そういえば『寄生獣』 1つの映画としてはどうよ? まとめ あらすじ スパイダーマンの宿敵と…

映画『ミッション:インポッシブル3』感想レビュー/伏線回収とベンジーの可愛さ 8点/10点

あらすじ 感想 イーサン・ハントたちのチームワーク 巧みな伏線回収 ジュリアの登場 まとめ あらすじ トム・クルーズ製作・主演の大ヒットシリーズ第3弾。イーサン・ハント(クルーズ)は第一線から退き、後進の指導をしていたが、自分の教え子の女性エージ…

ミッション:インポッシブル/フォールアウト 感想レビュー 『トイレの格闘シーンは名シーン』8点/10点

あらすじ トム・クルーズ主演の人気スパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズ第6作。盗まれた3つのプルトニウムを回収するミッションについていたイーサン・ハントと仲間たちだったが、回収目前で何者かによりプルトニウムを奪われてしまう。…

心が叫びたがってるんだ。 8点/10点

遅ればせながら『心が叫びたがってるんだ。』、通称「ここさけ」を観に行ってきました。この作品、本当にこのタイトルがすべてを物語っている。アニメ「あの花」のスタッフが再集結し、再び秩父を主な舞台とし、高校生の青春を描く群像劇。あることがきっか…

裏切りのサーカス 8点/10点

正直1回見ただけなので何が何やらあまり理解できていない。が、非常に静かに淡々と物語が進む中で登場人物たちの内に秘めた熱情が伝わってきた。近いうちにもう一度見てまた気づいたこと書きますね。

シンドラーのリスト 8点/10点

自身もユダヤ系のスティーブン・スピルバーグによるあえてモノクロで撮影されたホロコーストの代表的映画。どうしても美化している部分があるものの、ユダヤ人の扱いについて概観できる。モノクロのタッチは効果的だが195分という時間は長い。最後に演者と実…

アヒルと鴨のコインロッカー 8点/10点

伊坂幸太郎原作、オール仙台ロケの映画。話のテンポがよく、鮮やかな伏線回収には驚いた。しかも話はそこで終わるのではなく、後味爽やかなヒューマンストーリーに仕上がっている。原作の評価が高いので原作のほうも読んでみたいと思った(原作ファンはあまり…

バケモノの子 8点/10点

細田守監督の親子にも近い師弟の関係を描いた作品。王道的ストーリーを踏みつつも爽やかにまとまっていた。渋谷・渋天街(じゅうてんがい)の描写、特に人物の作画が素晴らしく、作品に奥行きをもたせる。青年の悩みに解決を見いだせるので"子育て"という意味…

永遠の0 8点/10点

小説の無駄な部分を省き、ドキュメントというよりもドラマ的に空戦を描写している。宮部久蔵(岡田准一)の思いがより伝わってくる。戦後は十分描かれていたので戦時を伝えるエピソードを加えるとよりリアルになるのではないだろうか。

千年女優 8点/10点

最後のセリフは初め、自己中心的かとも思ったが、それは強烈な人生の肯定になっていることに気付き、作品の素晴らしさが一層増した。作画で言えば前後の動きやキャラの動きが滑らかで見ていて飽きず、さすが今敏監督。声優の演技も情感こもっていて良かった…

最強のふたり 8点/10点

実話を基にしたフランス映画。車中から始まるオープニングは数知れないが、こんなにも綺麗にかつおしゃれなオープニング、伏線回収は見たことがない。 介護する側、される側という関係から始まりはするけれども、ふたりはそんなことは意にも介さない様子であ…

2001年宇宙の旅 8点/10点

1968年に公開されたスタンリー・キューブリック監督の宇宙SF映画の金字塔的作品。公開と共にその難解性、神秘性が波紋を呼び、再公開を繰り返しながら徐々に評価を高めた。上の動画は、2014年にイギリスのSF映画のイベントで新たに公開された予告編であり、…